ストーリーの欠陥
とある日
研究室の飲み会を終え、ぴーなっつはソロストに出ようとしていた。
いつもと違う街に出よう。
今日出る街は渋谷。
ぴーなっつは渋谷でストを始めた。合流させていただいて、ひたすら信号が青になるたび一人に声をかけるというのを繰り返していた。ガンシカが続き、果たしてストリートナンパが成功するのか、ということにずっと疑問を感じてたのを思い出す。
ちなみに渋谷での成績は、90声掛け1バンゲ(即死番)
渋谷は僕にとって怖い街。あのイカツイ人、イケメンたちは何なんだろう。女の子もきつそうな人が多い。
でも、僕はこの一カ月ちょっと、修行を重ねてきた。
今ならこの街でも結果が出せるんじゃないか。
そんな思いで街に出た。
月曜日21:30
渋谷にしては、人はなかなか少ない。
でも関係ない。
人はたくさんいる。声かけをはじめた。
一人目で平行トークできたけど改札に入られてしまう。その後もガンシカが続く。
女の子「警察呼びますよ」
ぴーなっつ「あ、じゃ僕が呼びましょうか?」
女の子「・・・」
すべった・・・・・・・・('◇')ゞ
やっぱ渋谷はきついな。
イケメン集団を観察したりした。
ノリでセンター街の姉ちゃんたちに声かけている。
ファッション、雰囲気もぴーなっつとは全然違う。あんな人たちがいる街でおれは戦えるのか。
そんなことも考えたけど、考えても仕方ない、ということで声掛け再開。駅へ向かう人を探す。
22:15
10人目
すらっと背の高く、黒髪ロングの子が大きな紙袋を持って、駅へ向かっていた。歩くのは遅く、ゆったりとした雰囲気。
声をかけよう。
黒髪子と呼ぶ
ぴーなっつ「こんばんは。ちょっと聞いてもいいですか。何食ったらそんなきれいになるんですか?」
黒髪子「え?」
ぴーなっつ「朝ごはん、何食べてるんですか?」
黒髪子「あはは(*´▽`*) え?」
ぴーなっつ「じゃ、ご飯かパンだったらどっちですか?今、統計とっててw」
黒髪子「どうだろう。ばらばらですw」
ぴーなっつ「じゃ、参考データにさせてもらいます(*´▽`*)」
黒髪子「www」
ぴーなっつ「ところで、今買い物してたんですか?」
最近はいつもこんな感じ。美しさ調査で朝ごはん何食べてるか、パンかご飯かを統計的に調査しているという設定w
自己開示を少ししながら女の子の状況を聞き出す。むしろかなりこちらのことを聞いてくるので、自分の状況もちゃんと説明した。食いつきは悪くない。
年は同い年で社会人。今日は休みで買い物に来ていたとのこと。
連れ出し打診(声掛け3分後)
ぴーなっつ「一杯、軽く飲んで帰りましょう! 10分」
ぴーなっつ「軽く、鳥貴族いきましょうか!」
黒髪子「え、お酒ってことですか?」
ぴーなっつ「お酒じゃなくてもいいっすよ!スタバでも!」
黒髪子「www」
ぴーなっつ「とりあえず、軽く散歩しましょうか!」
散歩しながら店の方向へ歩く。
よく聞かれる質問
黒髪子「よくナンパするんですか?」
ぴーなっつ「あ、毎日1000人はw」
黒髪子「え、噓でしょww」
ぴーなっつ「嘘ですよw千人はたぶん一生かかっても無理っすよ。だけど、合コンとか行くよりかはいいかなって」
黒髪子「そうなのかな」
ぴーなっつ「なんか、いや、潔くないっすか! って勝手に思ってるんですけど! まあ、理解は求めないですよ。でも、かわいい子いないかなっていって合コン行くよりは潔いいかなって」
黒髪子「なるほど」
冗談で言ってはいるが、普段からナンパはすることは伝える。
(声掛け後4分半)
ぴーなっつ「まだ話したいんで、どうですか?ま、10分、15分くらい」
黒髪子「はい笑」
ぴーなっつ「あ、大丈夫ですか!」
こんな感じで貴族つれだし成功
黒髪子は小学校の担任の先生。今年から担任を受け持ってていろいろ大変そう。でも、仕事は楽しくやってるとのこと。
頃合いを見て恋愛トーク
黒髪子の恋愛遍歴を引き出す。
ぴーなっつのことも聞かれるから少し話す。
ぴーなっつ「前付き合った彼女とは長く続かなかったんだ。その時は向こうからおれのことご飯誘ってくれて。一緒にいて楽しかったから、勢いで付き合ったんだよね。でもなかなか性格が合わなかったり、趣味が合わなかったりで、結局は別れちゃったんだ。どうやら俺の顔が好きだったみたい。だから、次付き合うときはちゃんと全部知った上で付き合いたいなって思ってるんだ。」
一つのミスを犯す。
いや、ミスではないのではないのかもしれないけれど、「即」をするストーリーとしては、整合性がとれないようなことを言ってしまったとのちのち思うことになる。
最近、使っている、二重マスカケ線ルーティーン。
ぴーなっつの手相は、二重マスカケ線。これを使う。
ぴーなっつ「みてみて俺の手相!!!!二重マスカケ線っていうんだ!おれ大物になる運命だからよろしくww」
こんな感じで、お互い手相を見合う流れにして、手の大きさ比べをするようにしている。
ボディタッチもお互いあり、なかなかいい雰囲気を作れた。頭を軽く撫でても抵抗はない。
これは、初即いけるんじゃないか。
と思っていた。
ぴーなっつ「なんか、さっき会ったばかりだけど、はじめてあった感じがしないね笑」
黒髪子「うん、そうだね笑 私もそんな感じがする!」
お会計。
黒髪子は半分出してくれた。二人で1800円。貴族は優秀。
ここで手を繋ぐ。
エレベーターに入って、
ここは壁ドンか!?!?
と思ったが、できず。まだまだチキン。
駅へ向かって歩く。
さあ、ちゃんとホテル打診するぞ。
ぴーなっつ「ねえ、黒髪子。今日の夜は一緒に過ごそう」
黒髪子「えwwだめだよう」
ぴーなっつ「いいじゃん笑 なんでよ」
黒髪子「えー、だってさっき言ってたじゃん!あんま勢いで付き合っちゃダメだって。だから今日は帰るよ」
・・・・・・・・・・・
しまった。
自分で言ったことを引用されてしまい、ぴーなっつはたじろいでしまった。後から音声聞いてても動揺しているのがわかる。
その後も粘ってはみたが、「今日はダメ」
ということで、説得できなかった。
ぴーなっつ「悪く思わないでね。俺、積極的なだけだから!」
黒髪子「うん!」
笑顔で見送った。
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今回は、「即」は達成できなかったけれど、すごく印象的な夜になった。たった会って一時間ちょっと。そんなタイミングで、女の子と手を繋いで「今日の夜は一緒に過ごそう」と誘っている。自分に信じられないほどの変化が生じていると感じる。2カ月前は童貞だったのに。
そして、今回の反省は「即へのストーリー」を作り出せなかったことだと思う。
普通の女の子にとって、あってその日にセックスをするということは、発想にないだろう。というか普通に考えて意味が分からないw
それでも、了承を得るには、入念な下準備が必要なのだろう。
今回、ぴーなっつは「性のハードル下げトーク」をしていないということに、終わった後気づいた。基本的なことだと学んできたけれど、まだまだ実行できていない。
・付き合う前にすることは絶対必要だということ
・付き合う上では体の相性はとても大事だということ
・あってその日に交わるということは普通に起こること
という風なことを1時間の会話の中で相手にわかってもらわないといけないと感じた。
一連のストーリーの中で、個々のルーティーンやトークが生きてくる。バラバラに使っても効果を発揮することはない。
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「ストーリーとしての競争戦略」楠木 建
有名なこの本。
戦略は「ストーリー」でなくてはいけない。
戦略の本質は、筋を計画してコントロールしていくことである。
筋のいい戦略とは、その筋としてのプロセスが明快であり、因果の蓋然性が高いものをいう
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ぴーなっつの今回の戦略は「即」
戦術としてのルーティーンやトークは少しづつ身についているが、
「ストーリー」がなかった。
今後も歩みを続けたい。
ぴーなっつ
To Be Continued